吉國元個展『アフリカ都市経験:1981年植民地期以降のジンバブウェ・ハラレの物語』8/4(土), 5(日), 11(土), 12(日)
画像image: ©Moto Yoshikuni “Unknown woman” 2018
吉國元個展『アフリカ都市経験:1981年植民地期以降のジンバブウェ・ハラレの物語』
2018年8月4日(土),5日(日),11日(土),12日(日)
OPEN: 13:00-19:00 入場無料
トークイベント「アフリカの身体、それを描く事について」 8月5日15:00-17:00
レセプション 8月5日17:00-※イベント、レセプションは入場料500円(ドリンク付き)
ギャラリーOGU MAGは吉國元による初個展、『アフリカ都市経験 : 1981年植民地期以降のジンバブウェ・ハラレの物語』を開催いたします。
この展示は、生まれ育った場所であるジンバブウェ、そして作家にとって異国とも言うべき日本で、アフリカ人の絵を描き続けることについて問いながら活動し、二人展、グループ展などで作品を発表してきた吉國元が、ジンバブウェの首都ハラレでの経験にフォーカスしつつ、改めて「『記録』として絵を描くということは可能なのだろうか?そもそもアフリカ人を描くことは、本当に可能なのだろうか?」と問いながら描いた絵画やドローイングで構成される、初の個展になります。
展示期間中の8月5日(日) にはフランス系カメルーン人のキュレーター、美術史家のクリスティン・アイーンを招き、「アフリカの身体、それを描く事について」をテーマにトークイベントも行われます。
平成最後の夏の最も暑い時期の展覧会です。冷たいお茶を用意してお待ちしています。どうぞご高覧下さい。
― 展覧会について ―
長く続いたイギリスの植民地支配をようやく切り抜け、アフリカのジンバブウェは1980年に独立した。
その独立を導いたのがムガベ大統領であり、彼の肖像は僕が通っていた学校の教室や、商店の壁に誇らしげに飾ってあった。
私は1996年に日本に移住し、やがてムガベ大統領は2000年以降白人農業主からの農地強制収容等の強権政治で世界中から非難されるようになる。経済は混乱し、ハイパーインフレーションが発生した。また多くのジンバブウェ人が母国を去ることとなった。それでもムガベが大統領の座にいる限り、僕の知っているジンバブウェは記憶の中から地続きに、現在まで続いているような気がしていた。事実彼は37年間その座に居たのだが、2017年、現地国防軍によるクーデターによって、ロバート・ムガベは大統領の座を退任する。私の生まれた国は大きく変わろうとしている。
東南アフリカをフィールドとした社会学者の父ならこの出来事をどのように受け止め、考えたであろう?
展覧会タイトルは亡き父の著書 ”African Urban Experiences in Colonial Zimbabwe: A Social History of Harare Before 1925”を拝借している。「植民地期のジンバブウェ」から「植民地期以降のジンバブウェ」へ。「社会史」から「物語」へ。1981年はジンバブウェ独立の翌年であり、父が初めてその地を踏んだ年でもある。
私は子供に始めた絵だけは続けていて、今でも描く事でアフリカで出会った人たちを記憶しようとしている。
アフリカの光の中でほんの短い時間だったのだが、彼らの生と私の生が交差する瞬間があったのだ。
この展覧会は私にとってのクロニクルなのかもしれない。最後に自分自身に問うてみる。
「記録」として絵を描くということは可能なのだろうか?
そもそもアフリカ人を描くことは、本当に可能なのだろうか?
― 吉國 元
■吉國元 https://www.motoyoshikuni.com/
1986年ジンバブウェ・ハラレ生まれ。1996年以降は日本を拠点に活動。
記憶の中のジンバブウェ人を描き続けている。
■クリスティン・アイーン https://eyonart.org/
フランス系カメルーン人の美術史家、批評家、キュレーターで、現在はセントラル・ランカシャー大学現代美術研究員としてイギリスを拠点に活動している。2017年ターナー賞受賞のLubaina Himidと共に活動する他、BOZAR(ブルッセル)Summer of Photography 2018のキュレーター、2018 年第4回国際カサブランカ・ビエンナーレ、アーティスティック・ディレクターなど活動の場を広げている。
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