ブラジル北東部の民衆版画展 3/19(木)-22(日)
- ogumag
- 1 日前
- 読了時間: 3分

ブラジル北東部の民衆版画展
3/19(木)-22(日)
OPEN: 13:00-19:00 最終日のみ18:00迄
ブラジル北東部の民衆版画展へようこそ!
ブラジルではいま、フォークアートとしてその版画人気はとどまるところを知りません。本展示会で紹介するジョゼ・フランシスコ・ボルジェスは、1935年12月ブラジル北東部のペルナンブーコ州ビゼーホス生まれ。2024年7月、享年88歳で惜しまれながらこの世を去りました。ブラジル版画界の至宝であり、北東部の民衆芸術界の父、アリアーノ・スアスーナと並ぶ最重要人物です。
北東部のみならずブラジルを代表する版画家兼詩人として知られるJ.ボルジェスは、幼少期から家計を助けるため、小学校にわずか10ヶ月通ったのみでさまざまな職につき働きつづけました。農夫、露天商、れんが職人、陶芸家、大工といくつもの職歴を経たのちに、20代で詩人兼版画家として、生まれ故郷ビゼーホスの版画工房Memorial J.Borgesで、生涯を版画制作に捧げました。現在では工房が子どもや孫たちに引き継がれ、次世代の作家たちによって民衆版画の伝統が継承されています。
ボルジェスの子どもの数は全部で18人。そのうち9人が版画家です。Memorial J.Borgesでは子どもや孫、若い世代のスタッフも一緒に、家内制手工業で日夜作品が生み出されています。本展示ではボルジェス本人のほか9人の息子のうちミゲル、マナセッシ(故人)、パブロ、バカーロ、および孫のグスタヴォ、ボルジェスの実弟アマーロ・フランシスコ(故人)、アマーロの妻ネナ、その息子セヴェリーノ、そして親戚にあたるジヴァニウドの作品を紹介いたします。数々の著名な版画家を生み出した北東部においてなお、版画大ファミリーが形成されていることは驚きにたえません。
そもそもはモノクロ一色で刷られた版画でしたが、2000年代以降は多色刷り版画も数多く製作されており、Memorial J.Borgesではさまざまなカラーバリエーションを増やしています。現地ではカラー版画が圧倒的に人気で、その色鮮やかな絵柄と素朴なタッチがおおきな魅力です。南国の自然がそのまま再現されたようなフルカラーの版画を、驚くべき技術を用いて1版で刷っています。
しかし一見平和でのどかな版画の原点にあるのは「苦しみ」の表現です。これは、北東部内陸の干ばつ地帯に暮らす人々の過酷な暮らしが作品の土壌となっているためです。繰り返し作品に登場する照りつける「太陽」の描写や人々の表情をごらんください。そしてセルタォン(内陸部の乾ばつ地帯)の風土を感じてみてください。人々の苦しみやよろこび、ブラックユーモア、社会風刺、信仰心、エロティシズムそしてアモール…それらがこのうえなく豊かに生き生きと表現されています。ユーモアを忘れず、時に過酷さを赤裸々に描く民衆版画は、ブラジル人の精神の豊かさそのもののようにも感じます。
北南半球の灼熱の太陽のもとで生まれた民衆版画の世界をお楽しみいただければこのうえない喜びです。たとえ暗い世の中にあっても”民衆”のなかに輝く希望を、灼熱の大地ブラジルからお届けします。






コメント