Kanako Kitabayashi, Midori Takayama, Yuka Hotta "act. Inframince" 5/9(木) - 19(日)
「act. Inframince」
Kanako Kitabayashi
Midori Takayama
Yuka Hotta
2024.5.9(THU) - 5.19(SUN)
OPEN THU - SUN
13:00 - 19:00 (Last Day - 17:00)
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この度、OGU MAGにて北林加奈子・髙山瑞・堀田ゆうかによる三人展「act. Inframince」を開催いたしま
す。
タイトルにつけられたInframince(アンフラマンス)とは、「下の、下方の」という意味の接頭辞「infra」
と、「薄い」という意味の形容詞「mince」を組み合わせたマルセル・デュシャンによる造語です。デュシャ
ンの残したノートには、たばこが出す煙と口から出る煙/ズボンを履いて歩いているときの二本の足のこす
れ合う音/人が立ったばかりの座席のぬくもり、などの例があげられ、蝶番のような「極薄」「超薄」の膜
のことであると推測できます。
北林加奈子は、陶に糸や木、ガラス、ウールなどの異素材を組み合わせた彫刻作品によるインスタレーショ
ンを発表してきました。自己と他者、その”境界”としての皮膚感覚や気配を手がかりに制作された作品群
は、空気や光、匂い、湿度や温度といった目に見えないものへの尊さを感じさせます。
髙山瑞は、線と余白を主題に木彫技法にて作品を制作しています。かく(書く・描く・掻く・欠く)ことの
原点を探るため、二次元である線の奥行きを木に彫り刻むことで、余白を三次元的に出現させます。現れた
かたちは、描画と記述と造形、二次元と三次元の境界を曖昧にします。
堀田ゆうかは、ドローイングやインスタレーション作品を展開しています。支持体として薄い木の板を切り
出し、辿々しくもそこに身体を折り畳む、あるいは抜け出すことで、平面と空間を行き来しながら、捉え所
のない身体の気配に触れようと試みています。
北林・髙山・堀田の制作活動を結ぶ要素として、見えない膜の内と外への意識があげられます。「目には見
えない薄い何か、正確な厚みは分からず、隔てられているし、結合しているもの」への反応は、アンフラマ
ンスの概念に近いものが感じられることでしょう。身体の内側と外側を隔てる皮膚の膜、二次元と三次元の
境界、平面と空間の往来。それぞれ異なる支持体への反応は、とても穏やかであるけれども鋭敏で、三者三
様のものです。
本展ではアンフラマンスをキーワードにしながら、互いの作品によりどのような化学反応が生まれるのか、
「舞台」「土間」を連想させるOGU MAGの空間で、それぞれの活動の一章(act)としてぜひご覧ください。
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北林加奈子
1990年 東京都出身
多摩美術大学美術学部工芸科卒業
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了
近年の主な個展に、「瞼ごしの、または瞼のおくの」(MONO.LOGUES、東京、2023 年)、「mora」
(DiEGO 表参道、東京、2022 年)、 「感応と交信」(MARUEIDO JAPAN、東京、2020 年)、「クリテリオム
94 北林加奈子” 目に見える感触”」(水戸芸術館 現代美術ギャラリー、茨城、2018 年)など。
髙山瑞
1993年 神奈川県出身
武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業
東京藝術大学美術研究科彫刻専攻修士課程修了
主な個展に、「草々」(HAGISO、東京、2024)、「山の端、切り込み」(銀座蔦屋書店、東京、2023)、 「森
のスケッチ」(沖縄県立芸術大学、沖縄、2023)、グループ展に、「ART SESSION by 銀座 蔦屋書店」(銀座
蔦屋書店、東京、2023)など。
堀田ゆうか
1999年 愛知県出身
東京藝術大学美術学部油画専攻卒業
東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻修士課程在籍
個展に「ない関節(2023 年、亀戸アートセンター , 東京)」、「pppractice(2023 年、フラットリバーギャラ
リー、東京)」、「からです(2023 年、AP どのう,茨城)、 近年の主なグループ展に「バグスクール:うごか
してみる!(2023 年、BUG, 東京)」、「うららか絵画祭(2023 年、The 5th Floor, 東京)」など。
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