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映画『かいじゅう』劇場上映記念「西村一成 作品展」 10/3(木)-20(日)



西村一成「空想の王国」綿麻布にアクリル、ブラックジェッソ、オイルパステル 116.7×182cm(F50×2)2022年



映画『かいじゅう』劇場上映記念 

「西村一成 作品展」

10月3日(木)-20日(日) 

OPEN:木曜—日曜、13:00—19:00(月曜-水曜休み)入場無料

協力:ギャルリー宮脇、シネマ・チュプキ・タバタ


日本唯一のユニバーサルシアター、シネマ・チュプキ・タバタにて、画家・西村一成の1年を映したドキュメンタリー映画『かいじゅう』が上映されます。これを記念し、OGU MAGでは「西村一成 作品展」を開催いたします。

映画『かいじゅう』は誰も入ったことない画家・西村一成のアトリエに、監督ひとりで一年間通い、カメラを回し続け、誰も見たことのなかった画家の創造と知られざるその半生を映した渾身のドキュメンタリーです。

本展では、西村一成のペインティングとドローイング、合計30余点を展示いたします。自身の中にあふれ出る様々な感情を、画家が全エネルギーをかけてキャンバスに描き出した魂の叫びのような絵画に是非、画家の半生を重ね合わせてご高覧ください。 

 

描くことについて / 西村一成

僕は日々ひたすら絵を描きつづけている。 呼吸し、食べ、排泄し、眠るのと同じようにだ。 線は僕の肉体の延長としてうねり、色は僕の精神の明滅を激烈に映し出す。 それは世界との直感的な交錯によって瞬発的に繰り出される。 描きあげた末に僕は疲れ果てて倒れ込む。 そのとき絵は、僕と不可分な、一人の人間のナマの姿だ。 しかし決して個人的な表現として完結しない。人は抗うことのできない天変地異の世界を生き抜いているが、いかに時空的に隔たっていようとも、 その波動は今ここに伝わってくる。 僕にできることといえば、その波を感受し、祈ることしかない。 だから僕の絵の中に彫り出される図像は、 祈らずにいられない根源的衝動が形づくる現実だ。 どんな状況であれ、人はこの世界を必要としている。 僕も日々ひたすら世界を感じつづけている。 僕自身と、そして誰かの生のために。

 

西村一成(にしむら・いっせい) Nishimura Issei

1978年生まれ、愛知県在住。独学で絵を描き始めたのは20歳の頃。シェル美術賞、トーキョーワンダーウォール都庁2013、FACE損保ジャパン日本興亜美術賞展ほか多数のコンペティションに入賞・人選。公立美術館の企画展や国際展、スイス、フランス、アメリカでも展示され、セルフトートの異才として国際的に注目を集めている。ときに唸り声をあげながら、キャンバスを叩きつけるかのようにして絵を描く西村一成は、甥っ子や姪っ子から「かいじゅう」と呼ばれている。


西村一成「No.20150303」カンバスにアクリル他72.7x60.6cm  2015年   

西村一成「来世にむかって」紙にインク40.5x32cm  2015年

 


映画『かいじゅう』 (2024年製作/101分/日本) 

出演:西村 一成、西村 純子、ちくら /監督・撮影:伊勢 朋矢 /制作・配給:Planetafilm

 

CINEMA Chupki TABATAシネマ・チュプキ・タバタ 上映期間

10月1日(火)〜10月15日(火)13時10分〜14時56分 ※ 2日,9日,16日(水)休映 ※日本語字幕・音声ガイドあり

ホームページ:https://chupki.jpn.org   予約サイト:https://coubic.com/chupki/3029084

CINEMA Chupki TABATA シネマ・チュプキ・タバタ

〒114-0013 東京都北区東田端2-8-4(JR田端駅北口より徒歩7分、業務用スーパー隣)

TEL・FAX 03-6240-8480(水曜休)

 

画家・西村一成 一年の記録

 初めて会ったとき、一成さんは「午前中なら調子がいいから、大丈夫かもしれない」と言った。夕方は苦手らしい。不安になるという。だから最初は「午前中の 1 時間くらいだけ撮影してみましょうか。無理して絵を描かなくてもいいですよ」そんな約束をして別れた。

撮影最初の日、一成さんは絵を描かなかった。ただただお互いの好きな音楽の話をした。僕(伊勢朋矢)も音楽は好きだが、一成さんはさらにマニアックだった。その日は気に入ったCDを 1 枚借りて帰った。帰りがけ、一成さんが「次はいつ来るの ?」と言ってくれたことがうれしかった。2 週間後にまた来る約束をして、その日は帰った。

2週間後。朝カメラを持って訪ねると、一成さんは縁側でタバコを吸っていた。猫のちくら

は、一成さんの側でじっとしながら「なんだコイツ」と、僕の方を見ている。一成さんは ふぅーっとタバコの煙を吐くと立ち上がり、耳栓をしてから、巨大なキャンバスの前に立つ。長い間黙って何かを見つめている。「何が起きるのだろうか ?」僕がカメラを手に緊張していると、突如、一成さんが絵筆を握り立ち上がる。「うぅー」と唸り声を上げながら、アクリル絵の具をたっぷりとつけた筆をキャンバスに叩きつける。目の前になんだかわからない模様が現れた。唸り声とともに、何度も何度も繰り返し絵筆を振るう姿を夢中になって撮影していると......いつのまにかキャンバスには「顔」のようなものが浮かびあがり、その目はじっとこっちを見つめていた。一成さんが家族以外に創作の現場を見せたのは、この日が初めてだったという。

あれから 1 年、僕は西村家に通い続けた。午前中 1 時間だけの撮影は、2 時間 3 時間...と伸びていき、2 泊 3 日で撮影したこともあった。カメラはただただ回り続け、西村一成の日常は 1 本の映画になった。映画のタイトルは甥っ子がつけた一成さんのあだ名にした。

撮影・監督 伊勢朋矢

 



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